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2014年2月16日 (日)

【小さいおうち】80歳をすぎても意気盛んな名匠【南日本新聞】<南風録>■昨日未明から東京で舞った雪は夜まで降り続いた。

 

 昨日未明から東京で舞った雪は夜まで降り続いた。ホワイトバレンタインデーとなった都心で、映画「小さいおうち」の舞台も戦火に見舞われなければ雪に覆われたろうにと考えた。

 山田洋次監督の最新作に登場する赤い三角屋根の家は東京郊外にある。ここに戦前戦中住んでいた夫人の恋物語を、奉公人で戦後を生きぬいた女性の自叙伝を基に描く。

 昭和と平成を行き来する物語は、満州事変が起きた1931年生まれの監督の人生と重なるだけに自身の記憶を投影したかったのだろう。同名小説で直木賞を受賞した作者の中島京子さんに、手紙で「この時代をよく知っている。映画化するのは自分しかいない」と訴えたそうだから思いの丈が分かる。

 ご用聞きが出入りし、正月には夫と会社の同僚が新年の宴を開く。昭和初期の穏やかな暮らしが丹念に描かれるが、そんな日常を空襲が根こそぎ奪う。闇に浮かぶ家のシルエットと焼い弾、悲鳴だけの場面が想像をかき立てた。

 数分ほどの淡々としたシーンが戦争の残酷さや愚かさを浮き彫りにして、何げない日々に軍靴の響きが迫る怖さを感じた。現代を生きる人々にどんな道を選ぶべきか、静かに問いかけているようでもある。

 映画は世界三大映画祭の一つ、ベルリン国際映画祭に出品されている。80歳をすぎても意気盛んな名匠が最高賞を手にし、語る言葉を聞きたい気もする。

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