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2014年2月10日 (月)

【神奈川新聞】<社説>■たとえ権力が「右」と言っても報道使命を放棄したか

 最近のNHKに対し、受信料を支払う立場として、公正な報道機関であり続けられるのかという懸念を感じていた国民も多いだろう。不安が現実となった形だ。

 NHKラジオ第1の番組で、原発問題を話そうとした中北徹東洋大教授が出演を中止した。東京都知事選を理由に、NHK側からテーマを変更するよう求められたことが理由だという。

 中北教授は原発の安全確保対策や再稼働のコストの上昇、廃炉費用に触れ「即時脱原発か、穏やかに原発依存を減らしていくのかという選択になる」と発言する予定だった。

 最新の共同通信の全国電話世論調査では、原発再稼働反対は6割に上る。世論を受け、都知事選の行方に危機感を抱いた政府・与党は、原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置付けたエネルギー基本計画案について、重要性を薄める方向で修正する検討に入っている。

 安倍晋三首相ら与党幹部からは、都知事選での原発問題の争点化を警戒する声が相次いだ。NHKは政府・与党の懸念を忖度しているのではないかという疑いを拭えない。

 原発問題は国のエネルギー政策に関わる普遍的なテーマである。まして、政府のエネルギー基本計画案が話題に上っている。都知事選の期間中だから話すな、との理屈は報道機関として通らず、報道使命の放棄に他ならない。NHKの目は視聴者・聴取者に向いているのだろうか。

 NHKは安倍首相との近さが指摘されてきた。籾井勝人会長は1月の就任会見で、領土問題について「政府と懸け離れたものであってはならない」とし、特定秘密保護法は「政府が必要だという説明だから、様子を見るしかない」と発言した。

 「南京大虐殺はなかった」と都知事選候補の応援演説をした作家の百田尚樹氏と、男女雇用機会均等法の思想を批判し右翼の自殺を礼賛した長谷川三千子埼玉大名誉教授。首相と親しく、保守的な価値観を共有する2氏が、新たにNHK経営委員に就任している。NHKは、こうした思想の影響を受けていくのか。

 たとえ権力が「右」と言っても、国民が苦しむのであれば声を拾い、疑義を投げ掛けるのが報道機関の使命である。それこそが社会に資する公共放送の姿だ。権力におもねる姿勢があるとすれば、襟を正さなくてはならない。

 

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