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2014年2月12日 (水)

東京都知事選 「与党勝利」とは言えぬ

 首都圏が記録的な大雪となる中で迎えた東京都知事選の投開票。本格的な国政選挙が当分ない中で、安倍政権の中間評価の色彩を帯びた選挙となったが、結果は与党自民、公明両党が支援する舛添要一元厚労相が他候補に圧勝。天候ほどの波乱はなかった。

 石原慎太郎氏が国政復帰で知事を辞任後、後継の猪瀬直樹氏も徳洲会事件に絡み身を引くなど任期途中の退陣が続き、この3年間で3度目の知事選。都政が落ち着かない状況で、多くの都民は国政との「ねじれ」より「安定」を求めたということだろう。

 今選挙では、「脱原発」を政策の筆頭に掲げる細川護熙元首相が、同調する小泉純一郎元首相の支援を受けて立候補。前日弁連会長の宇都宮健児氏も「脱原発」を訴える一方、元航空幕僚長の田母神俊雄氏は原発推進を表明するなど、国策を左右する可能性を秘めた戦いともなった。

 その中で、舛添氏が積極的に原発問題に触れなかったのは与党の戦略だろう。共同通信はじめ、各世論調査で原発再稼働を疑問視する向きが多数を占める状況下、あえて民意に挑むメリットはないと踏んだに違いない。

 安倍晋三首相を先頭に、政府や与党の幹部らはこぞって「都知事選は地方の選挙」と煙幕を張った。原発問題に関し、都知事の政策権限が極めて限定的なのは確か。加えて「脱原発派」が分散する状況では、それぞれの主張もぼやけて「うねり」を醸成するまでには至らなかった。

 とはいえ、この結果で政権の原発政策が信任されたというわけではない。宇都宮氏と細川氏の得票合計が舛添氏の得票に迫るのは、これも都民の一つの判断。わけても首相ら与党幹部が、表立って舛添氏を応援したのは選挙戦最終盤だった。選勢を見定めた上での「参戦」を、与党の勝利とするのは当たるまい。

 今選挙告示直後の共同通信の調査では、原発再稼働や集団的自衛権行使容認、来年10月に予定される消費税率10%への引き上げや沖縄県・米軍普天間飛行場の同県内移設など、政権が進める重要政策に対し反対、あるいは慎重な世論が大勢を占めた。

 特定秘密保護法でも、修正や廃止を求める向きが合わせて75%に上る。それでも内閣支持率が横ばいなのは、野党がひ弱なことに加え、景気回復への期待が支持をつなぎ止めているのではないか。

 今月の山口県知事選をはじめ、今年は愛媛や福島など原発立地県で知事選が待ち受ける。「原発は地方選の争点にふさわしくない」と寡黙を決め込む認識では、政権は民意を見誤る。都知事選で「脱原発派」が得た票数から、為政者は学び取るべきだろう。

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