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2014年2月 4日 (火)

【南日本新聞】<南風録>■井上さんにも届けとばかりの熱演に圧倒される

「放浪記」で知られ、鹿児島にもゆかりの深い林芙美子は日中戦争から太平洋戦争にかけて従軍記者を務めた。中国や南方戦線に何度も赴き、戦地の様子を伝える記事は新聞に掲載された。

 芙美子の記事はよく読まれ、特に南京での「女流作家の一番乗り」や「漢口一番乗り」は話題になり、帰国後の講演会も盛況だったそうだ。戦時色を強める時流に乗せられたのだろう。

 その従軍体験を軸に描いた「こまつ座」の音楽評伝劇「太鼓たたいて笛ふいて」が東京で上演中だ。国策に踊らされていた1幕と、自らの過ちに気づく2幕は明暗がくっきりと分かれる。

 「軍国主義の宣伝ガールだった自分の責任を追及し、過ちに目を据えながら戦後は本当にいい作品を書いた」。作者の故井上ひさしさんが公演プログラムに記した芙美子評だ。彼女を通して国の危うさと、自ら考える大切さを伝えたかったのだろう。

 12年前の初演から4度目の今回も、大竹しのぶさんが主役を務める。「劇中の言葉が震災後の今、より深く鋭く迫ってくる」。本紙取材に語った通り、舞台に込める思いはこれまで以上に強い。井上さんにも届けとばかりの熱演に圧倒されるに違いない。

 都内で催される全27公演の前売り券は完売と聞いた。その舞台が2月26日に鹿児島市民文化ホールで見られる。「伝えなくては」と精魂を込める大竹さんらの芝居が楽しみだ。

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