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2014年3月23日 (日)

10年後の日本の医療へ 岩手からの提言 努力をしないで犠牲を求めるな

本日の朝日新聞朝刊12版の記事です。中村ゆきつぐ
    
    
地域医療再生目的で岩手県主催で開かれた東京でのシンポジウムの内容が要約されて出ています。すこし解説を加えます。
    
    
まず自治医科大学教授 地域医療学センター長 梶井英治先生。今後の地域医療問題解決に向けての提言です。
    
    
1 かかりつけ医の定着
    
開業医を含めた医師の意識改革も必要になり、今回の診療報酬改定にも主治医制があげられています。しかしこれには、患者さんの協力が必要になります。簡単に言うと、ちょっとした病気で大きな病院に行くな、救急で行くなというアクセス自由の制限です。この点は悪い事ではありませんが、何かあったらすぐに送ってくる主治医のレベルが低い場合には、かかりつけ医制度はあまり定着しないでしょう。
    
    
2 住民が参加する地域医療づくり
    
先程の患者さんが自由に病院を選べる権利の剥奪、救急車の適正利用、健康増進のための活動等、医療者と一緒になって病気予防をやっていく必要があります。その上でどのような死に方を選択するのかという死生観の教育も必要です。
    
    
3 医療機関の機能分担・連携
    
専門治療を重視する病院と、一般健康状況を管理する病院の棲み分けが必要になります。簡単に言うと高度な医療が必要なくなったらかかりつけ医にもどりなさいということです。その医者が嫌だと言われたらなど課題はあります。(なかなかもどってくれません)先程述べた死の考え方も必要です。
    
    
4 保険・医療・福祉の連携
    
切れ目ない連携が必要です。ただ医療だけで人間は生活できませんので、ここに経済もいれないといけません。
    
    
5 地域という枠組みの再構築
    
その地域に必要な医療は異なります。救急等全部東京ルールである必要はありません。地域の人達がどれだけのお金を使って、どれだけの医療を望んでいるのか理解する必要があります。
    
    
6 地域医療を支援する体制の充実
    
国、地方行政、家族会を含むボランティア、医師、看護師の安定供給のための取り決め等でしょうか。医療費優遇なども必要でしょうか。
    
    
7 各都道府県挙げての地域医療体制の構築
    
医療に対する考え方、どのような医療をどのような額でといったところでしょうか。5、6の結果ですかね。
    
    
自治医大としては地域医療の専門家として坦々と発表されています。97%の卒業生が僻地医療に従事しているとのことです。それなのに地域医療は足りていません。
    
    
次の発言は岩手県立釜石病院長 遠藤秀彦先生です。 まとめると医師達に総合医マインドを持たせ、少数精鋭でも頑張るといった内容です。
    
    
正直言わせていただくと、短期的にはこの方法しかありませんが、ただ長期的にもこの考えだとしたら今の現状がどうしておきたのか全くわかっていない、若い人達はついてこない方策です。院長がこれでは話になりません。やめて医師が少なくなった理由の一つでしょう。
    
    
次にパネルディスカッションで発言されていた結核予防会結核研究所 顧問 田中慶司先生ですが、「社会保障と税の一体改革が新鮮味がない」「自由標榜・自由開業にも介入しなければいけない」と医療者側だけの施策に言及されています。これではまわりの協力は得られません。先程の院長よりせっぱつまってないのもあるかもしれませんが、他人まかせがみえてしまいます。
    
    
最後に岩手県知事達増拓也氏の発言です。「 国は地域の努力目標として医師不足について対策をとらない。『地域医療基本法』を選定し消防や警察と同じ考えで医師不足地域で医師に強制的に勤務を課すことを義務づける」ことを国に提案したい」とのまとめです。
    
    
提案はいい事です。議論の種になります。では私の反論を書きます。
    
    
勤務地を義務化させるということは、今の自治医大、防衛医大が行っていますのでそのやり方に準じればいいでしょう。若い時の研修と地方医療とが両立できるようならばOKです。実際東北大医学部で、必ず後ほど大学に戻すという確約と、教育体制の確立をおこない、少しうまくいっているようです。
    
    
防衛医大や自治医大卒業生は学費免除、給料、住居費、食費込みで学生生活を行ったので、勤務地の選択制限がなくなることは最初にわかった上で契約しています。それゆえ強制ではありません。
    
    
また実は医療者の当直問題で明らかなように、大部分の医師達は労働基準法無視で働いています。
    
    
もし警察や消防のように、自治医大や防衛医大のような契約をしていない医師達に、地域医療に勤務させるというのならば、仕事の場所を選べず、労働基準法違反、俗に言うブラック企業に強制的に就職させ、退職される権利もなくさせるということになります。
    
    
せめて労働基準法を改善させようとするのなら、今以上に医師数は必要となります。だから今回の改訂では、パラメディカルの活用がうたわれているのです。
    
    
基本的人権侵害の憲法違反になるのではないでしょうか。
    
    
また岩手県は私立医大1校しかない唯一の県です。(実は自治がタテマエ私立ですので栃木は私立2校です)
    
    
もし本当に自県に医師が欲しいのであったら、各地方自治体でやっている卒後勤務する事で与える奨学金を増やす、自治の岩手枠を増やす、岩手医大の地域枠を増やすといった、ある意味長期的にはお金で解決する方法があります。
    
    
お金は出さない。契約もさせない。だけど医師は職業選択をしたら、住む地域選択の自由を捨てろでは誰が納得します?
    
    
マスコミを使って広報されることは構いませんが、もう少し分析される事を望みます。
    
    
医療者だけではなく国民1人1人が考えなければいけない問題であることを今まで書いてきました。
    
    
自分たちの腹は痛めず、誰かに犠牲になりなさいでは解決しません。 

 

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