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2014年3月13日 (木)

【中日新聞】<中日春秋>■取り返しのつかぬ人災が起きたことを確かに目にした

 <地の震えのなかで/時の震えのなかで/その計り知れなさを知る/腕時計を一分だけ遅らせる/原子力の爆発のなかで/放射線の雨のなかで/その恐怖を知る 腕時計を/一時間も十時間も遅らせる

福島の詩人、和合亮一さんの詩集『ふたたびの春に』にある「腕時計」だ。二〇一一年三月十一日午後二時四十六分のように、私たちの時計に刻んでおきたい時刻がある。翌十二日の午後三時三十六分だ

頭の中の時計を三年前の今日に巻き戻してみる。その日の朝刊一面の大見出しは、<地震津波 死者千人超す>。その下に<原子力緊急事態を宣言>とあり、官房長官の発言が載っている。「放射能は炉の外には漏れていない。環境に危険は発生していない」

だが私たちは目撃することになる。午後三時三十六分、福島第一原発1号機の原子炉建屋は爆発した。目に見えぬ放射能拡散の恐ろしさがテレビ画面の中で顕(あら)わになった。取り返しのつかぬ人災が起きたことを確かに目にした

「腕時計」の続きを読む。<友や知人の家族が/波に流されてしまい/その無惨さを知る/腕時計をさらに遅らせる/三十年も 十万年も/放射線の影は/消えないらしい/腕時計が狂う>

大震災の余震は、まだ続いている。放射能の汚染も、続いている。その計り知れなさを知れば、時計をやすやすと進めることはできないだろう。

 

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