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2014年4月 9日 (水)

原発避難計画 後付けは許されない 【信濃毎日新聞】<社説>■事故発生時の対応をあいまいにしたまま、見切り発車することは許されない 原発再稼働などおぼつかない実態が、また一つ浮かび上がった。



 原発の半径30キロ圏に入る21道府県のうち11県で、住民の避難にかかる時間を試算した「避難時間予測」がまとまっていないか、公表できていないことが明らかになった。

 原発の周辺自治体の大半が、この避難時間予測を含む「住民避難計画」を策定できていない状況にある。早ければ今夏にも再稼働する原発が出てくる見通しとなっているが、事故発生時の対応をあいまいにしたまま、見切り発車することは許されない。

 福島第1原発の事故では、交通渋滞で福島県双葉郡の住民らがなかなか避難先にたどり着けなかった。原子力規制委員会はこの反省を踏まえ、事前に避難計画を作ったり、放射線を測定するモニタリングポストを整備したりする区域を、事故前の半径10キロ圏から30キロ圏に広げた。

 区域内の自治体は15道府県45市町村から21道府県135市町村に。対象となる住民も70万人から500万人近くに急増した。

 避難計画には避難先や避難ルート、移動手段、支援が必要な高齢者らの人数把握などが求められている。原子力防災の経験がない自治体があることに加え、広域での調整が必要な課題も多い。

 国は原発の立地地域ごとに作業部会を設けて後押ししているものの、策定済みは1月末現在で58市町村にとどまっている。

 策定を終えた自治体の計画も万全とは言い難い。入院患者や要介護高齢者の避難想定ができていなかったり、道路が寸断されないことを前提にルートを決めたりといった問題点がみられる。計画に基づいた訓練では、悪天候でヘリコプターや船での避難を「断念」した例が相次いでいる。

 原子力規制委は現在、10原発17基を審査中だ。安倍政権は、昨年7月に施行した新規制基準を「世界最高の水準」と繰り返し、規制委が安全と認めた原発は再稼働する方針を示している。

 規制基準は原発の施設や設備の適否を判断する目安にすぎない。避難計画を後付けにするようなら、危機管理の重要な柱を欠くことになる。避難計画の策定と実証訓練を、再稼働の是非を住民に問う前の条件にすべきだ。

 原発事故の被害が広い範囲に及ぶことを考えれば、飯山市や栄村、野沢温泉村の一部が入る半径50キロ圏、さらに100キロ圏の自治体にも、相応の防護策を促していくことが求められる。

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