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2014年5月 5日 (月)

被災地職員の疲弊 復興の担い手守らねば「岩手日報」

 膨れあがる事業量と少ない人員。そして、「復興の加速を」という重圧-。東日本大震災の被災地で、疲弊する自治体職員を守る対策が急務となっている。

 4月下旬、山田町で職員が自ら命を絶った。昨年と一昨年には、大槌町と陸前高田市で他の自治体から復旧・復興の応援のため派遣されていた職員が自殺した。

 心身に変調を来して休暇を取らざるを得ない人もいる。職員は追い詰められ、疲れ切っているのではないか。

 事業量の増大は、各市町村の2014年度の当初予算額を震災前年の10年度と比べると一目瞭然だ。最大で陸前高田市の11倍。7~8倍に膨らんだ自治体も少なくない。

 震災は、市町村合併で職員が削減されたところを直撃した。通常の行政サービスに加えて、膨大な復興事業が、ただでさえ多くはない職員たちの肩にのしかかる。陸前高田市や大槌町は津波で貴重な人材を多数失った。

 だからといって職員の採用を増やすことは、復興後に事業量が激減することを考えると難しい。頼みは国や県内外からの応援職員だ。

 4月1日現在、被災自治体で必要な職員は昨年より増えて749人に上るが、派遣が決定したのは669人で80人足りない。住宅再建や高台移転など復興の本格化に伴い専門職が必要になるなどニーズも変化している。

 県が4月に公表した震災復興に関する意識調査では、まだ60%が「復興の遅れ」を感じている。一日も早く元の暮らしを取り戻したい住民の期待に、焦燥感も募るのではないか。

 地元に暮らす職員は、住民に頼りにされる一方、「逃げ場」のない存在でもある。心身の疲労は大変なものがあるだろう。

 大船渡市は産業医である国保診療所医師の指導で、震災直後から毎年、職員の健康アンケートを実施し、必要に応じて医師と保健師がケアする態勢を整えている。

 職員の心身の状態は年々改善されてはいるものの、業務が過重と感じる職員は依然多い。うつ病の危険度も高く、特に被災した非正規職員でストレスを感じている割合が高いことも分かった。

 県は派遣職員を対象に、市町村を巡回して面談したり、年1回メンタルケアの研修を行っている。市町村が行う地元職員のケアについても強化を訴えた。

 県が「本格復興期間」と位置づけるこれから、事業量はピークを迎える。復興の担い手である職員が心身の健康を損なえば、住民にも大きな損失だ。復興は息の長い事業。悲劇を繰り返さないよう十分な配慮を求めたい。

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