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2014年6月 7日 (土)

【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】天木直人・ ここまで書かれ、おしゃべりされたら、拉致問題は終わったも同然だ

 

 私は今度の拉致再調査合意の発表をめぐる一連の安倍・菅コンビの

とった行動に心底驚いている。

 

 なぜ安倍・菅コンビだと書いたかといえば、明らかに彼ら官邸の二人

が外務官僚を使って誰にも相談せず(つまり麻生元総理や岸田外相、さ

らには古屋拉致問題担当相さえもパスして)、北朝鮮側と直接取引を

行ったと思うからだ。

 

 こんな危険な外交はない。

 

 そして見事に裏目に出てしまった。

 

 TBSの暴露は、繰り返して言うが、大きく、それを日刊ゲンダイが

私の配信をみて書いた影響は大きかったとは思うが、

私がもっと驚いたのは、その後あらゆる週刊誌がもっと詳しく、もっと

驚きの事実を一斉に書き始めたことだ。 

 

 私はそれらをすべて読んだ後で書いているのだが、中でも私が驚いた

のは、発売中の週間ポスト最新号の特集記事の冒頭にこう書かれていた

ことだ。

 

 すなわち、情報はつかんでいたが、拉致問題交渉そのものに影響をお

よぼしかねないため、掲載のタイミングを図っていたと率直に書いてい

る。

 

 これを要するに、はやりTBSの記者もその他の記者たちも、知って

いたということだ。

 

 そして無事、安倍首相が報告を終えて満足顔にシンガポールに出かけ

たのを見て、一斉に書き始めたのだ。

 

 ところが、これら週刊誌は大きな誤りを犯すことになる。

 

 国民の目から隠さなければならないのは、これからであるというの

に、あることないことべらべらと明かしてしまった。

 

 その公表ぶりは凄まじいものがある。

 

 いわく金正恩側近のミスターYが出てきたから本気だ、

 

 いわく何人かを生きて返す確証が得られたから今度は拉致問題は動

く、

 

 いわく万景峰号と朝鮮総連本部を飴にすれば北朝鮮は乗ってくる、

 

 それがだめなら警察を使って鞭を打つ、

 

 巨額の援助を与えれば、習近平より先に首脳会談ができて一矢報いる

ことができる、

 

 安倍の前に岸田外相との外相会談もありうる、

 

 などなど。

 

 これほどあることないことを書かれ、テレビでしゃべられれば、もは

や安倍首相は何もサプライズができなくなる。

 

 それどころか、制裁解除を急ぐな、北の調査を鵜呑みにするな、全員

が無事帰るまで妥協するな、となる。

 

 しかし、そういう声に従えば、約束違反だと北朝鮮が怒りだす。

 

 北朝鮮との間にあるのは密約だから、国民の前では、合意はあったと

は言えない。

 

 拉致問題のサプライズは何もなくなったということだ。

 

 しばらく報道から拉致問題は消えていくだろう。

 

 そして、新たな打つ手もなくなるだろう。(了)

 

 

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