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2014年7月15日 (火)

滋賀知事選 自民敗北…首の皮一枚残ったこの国の民主主義


自分の地位や権利をカサに着る者は必ず凋落する。驕りたかぶる安倍政権の終わりが見えてきたのではないか。

 13日投開票が行われた滋賀県知事選は与党の完敗だった。当初は与党候補の圧勝ムードだったが、自公が推薦した元経産官僚の小鑓隆史氏(47)はみるみる失速。事実上の一騎打ちは、元民主党衆院議員の三日月大造氏(43)が約1万3000票差で制した。この結果には安倍首相も真っ青になったはずだ。普通の首長選とは重みがまるで違うからだ。

「安倍政権が閣議決定で憲法解釈を変え、集団的自衛権の行使を容認した直後の大型選挙ということで注目されていました。滋賀県は、嘉田由紀子現知事が脱原発の先頭に立ってきたという土地柄でもある。その嘉田知事から後継指名を受けた三日月氏か、原発を推進する経産省出身の小鑓氏かという争点もありました。国政選挙がしばらくない中で、安倍首相が進める政策に対する信任投票の意味合いがあり、選挙結果は国政に直結する。自民党にとっては、絶対に負けられない選挙だったのです」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
 だから、自民党はシャカリキだった。組織をフル回転させ、石破幹事長や菅官房長官のほか、多くの閣僚や人気者の小泉進次郎議員、政権幹部など大物が次々と現地入り。国政選挙並みの態勢で臨んだのだが、それでこの結果だ。

 現地で取材を続けたジャーナリストの横田一氏が言う。

「石破幹事長は3回も現地入りし、巨額の公共事業バラマキをチラつかせたり、企業を個別に回って『応援しないと大変なことになる』と脅しをかけたり、アメとムチで票を固めていました。しかし、集団的自衛権の閣議決定を境に、ガラリと空気が変わりましたね。安倍政権の強引な手法に対する怒りや不安が有権者を突き動かした。滋賀の良識層の声が『反・安倍政治』でまとまり、自公の組織選挙を打ち負かしたのです」

 告示前の自民党調査では、自公候補が11ポイント差でリードしていた。ところが、選挙戦が進むにつれて、どんどん差が縮まり、ついには逆転。閣議決定後に苦戦を聞いた安倍首相は、「どーなってるんだ!」と党幹部を怒鳴りつけたという。自分で原因をつくっておいて、八つ当たりもいいところだが、安倍首相もこの知事選の重みだけは分かっていたということだ。
「選挙終盤は、選挙情勢の報告を逐一上げるよう言われていました。総理は外遊先のオーストラリアからも、直々に滋賀の業界団体などに電話を入れていたそうです。公明党にも一層のテコ入れをお願いし、投票締め切りの直前まで有権者に電話をかけまくった。それで、かなり盛り返したはずなのですが……」(自民党選対関係者)

 最終的な投票率は50・15%で、参院選とのダブル選挙だった前回の61・56%には及ばなかったが、前々回の44・94%を大きく上回った。

 自民サイドは40~42%程度とみていたから、こちらも大誤算。増えた無党派層の票はほとんど三日月陣営に流れたとみられる。

 それにしても、この選挙結果には安堵する。

 もし、与党候補が勝っていたら、安倍首相は「信任された」と大きな顔をし、「集団的自衛権は国民の理解を得た」「原発も再稼働」と、ますます暴走を加速させていただろう。それを思えば、この国の民主主義は、なんとか首の皮一枚つながったのだ。
「これで原発再稼働へのハードルが上がっただけでなく、消費税10%への引き上げも容易ではなくなりました。与党候補は経済政策の成功をアピールして負けた。アベノミクス効果なんて、地方には何も関係がないからです。消費税アップが庶民生活を直撃し、それも政権への不満になっている。最初はアベノミクスに期待したものの、1年以上経っても景気回復の実感はなく、ようやく有権者も冷静になってきたのだと思う。冷静になってみれば、集団的自衛権の閣議決定など、安倍政権の横暴は、いくらなんでもヒドすぎると気づくはずです。平和憲法を骨抜きにしたことへの不信感で、今回は公明党の地方組織の動きも鈍かった。今後の選挙を考えたら、安倍政権も、そう好き勝手はできなくなります」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)

 石破は13日夜、「選挙の結果は重く受け止めねば」なんて神妙な顔で言っていたが、その一方で、「卒原発」を掲げた三日月氏の勝利で自民党の原発再稼働方針がどうなるか聞かれると、「変更はない」とニベもなかった。例によって、「地方選挙と国政は別」で押し通すつもりだろうが、そうはいくものか。
「これまでのようにはいきませんよ。滋賀の敗因は都議会のセクハラやじ問題や、石原環境相の『金目』発言、集団的自衛権などいろいろいわれていますが、すべて政権の驕りが招いたことです。自公候補の『タマが悪かった』なんて声もありますが、じゃあ、なぜそんな候補を選んだのか。原発推進派で勝てば再稼働に弾みがつく、政党支持率から見れば楽勝だとタカをくくっていたからでしょう。そういう傲慢さが有権者の反感を買った。今回の選挙で、政権との対立軸がしっかりした受け皿があれば勝てるということがハッキリしました。年内には沖縄県知事選と福島県知事選もある。どちらも基地問題や原発、復興など安倍政権の政策の是非を問う選挙になります。滋賀と同じことができれば、沖縄も福島も野党が勝てるし、来春の統一地方選でも、オセロのように勢力図が変わってもおかしくありません」(鈴木哲夫氏=前出)
政治には潮目が変わる瞬間というのがある。国民の怒りが政権に鉄槌を下した今回の知事選は、政権崩壊の引き金になる可能性を秘めている。

 政治評論家の野上忠興氏が言う。

「これで安倍政権が暴政を改めなければ、地方選挙で連敗です。安倍首相の主義主張や強引な政治手法に対しては、自民党内にも異論がある。それでも黙って支えているのは、一にも二にも支持率が高くて選挙に勝てるからという理由です。もし知事選で3連敗すれば、民意は政権に『NO』ということになる。党内からも安倍降ろしの声が上がり始めるでしょう。そうなると、またストレスから体調を崩してしまわないか心配です」

 再びの政権放り出しもあるかもしれない。日刊ゲンダイ

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