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2014年7月13日 (日)

 習近平との正面衝突に突き進む安倍首相のおろかさと危険性


■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】天木直人

 きょうの毎日新聞が一面トップで極めて重要なスクープ記事を掲載し
た。

 それは高村自民党副総裁が政治学者の五百旗頭真(いおきべまこと)
氏との対談の中で次のように明かしたという記事だ。

 すなわち高村副総裁は5月に超党派の日中友好議員連盟の会長として
訪中した事があったが、その時、中国ナンバー3の張徳江全国人民代表
大会常務委員長との会談で、「安倍首相はもう靖国神社には行かないと
思う」から、「11月に北京で開かれるAPEC会議の際に日中首脳会
談に応じるよう習近平主席に伝えて欲しい」と話したというのだ。

 当時、そのような申し入れを行ったという報道はなされていたが、こ
こまではっきりと高村副総裁自身の口から語られた事は初めてだ。

 だから毎日新聞は、わざわざ毎日新聞が設定した高村副総裁と五百旗
頭氏の対談で、このような発言を高村氏から引き出した事を手柄のよう
にしてスクープ記事にしたのだ。

 確かにこの高村発言は重要な意味を持つ。

 高村氏が安倍首相と事前の打ち合わせと了解なく、このような発言を
することはあり得ない。

 つまり、安倍首相は国民に対する説明とは異なって、APECで何と
か習近平と首脳会談を行いたい、それが実現できるようなら靖国参拝を
封印してもいい、と習近平に伝えていたということだ。

 そしてこのメッセージは張徳江委員長から習近平に間違いなく伝わっ
たはずだ。

 それにも拘わらず、日中首脳会談の目途は立たなかった。

 ということは、「首脳会談に応じるなら靖国参拝を行わない」などと
いう姑息なメッセージを習近平は信じなかったということだ。

 それは当然だろう。

 首脳会談に応じた後に靖国参拝をされては面目丸つぶれであり、その
前科は日本側にあるからだ。

 私が高村氏の発言の中で注目したもう一つの言葉は、安倍首相は第一
次内閣の時に、「自分が我慢すれば日中関係が良くなるなら」と靖国参
拝を控えたのに、良くならなかった。だから「自分が我慢してもこんな
状態ならば、参拝しようという気持ちになった」、と安倍首相の心情を
述べているところだ。

 間違いなくこれは高村氏が安倍首相から直接聞いた言葉に違いない。

 という事は、この5月の高村副総裁の訪中で習近平にメッセージを
送ったにも関わらず習近平がそれに応じなかった事を見て、安倍首相は
習近平との首脳会談をあきらめ、中国包囲網強化という対決姿勢に転じ
たのだ。

 そう考えれば、それ以来、安倍首相の対中強硬姿勢に一層の拍車が、かかっ
た事がうなずける。

 しかし、習近平と対決するのはあまりにも愚かで危険だ。

 安倍首相の信念は、祖父の岸信介首相を師と仰ぐ個人的理由から来て
いるかもしれないが、習近平のそれは毛沢東、鄧小平の遺訓である「中
国の夢」を実現しようとするものだ。

 覚悟の意味と大きさがまったく違う。

 このまま安倍首相が習近平との対決姿勢を取り続けるならば、日中首
脳会談などあり得るはずもなく、それどころか習近平との正面衝突は避
けられない。

 その場合、日本が蒙る不利益は図り知れない。

 その事を教えてくれる毎日新聞のスクープ記事である(了)

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