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2014年7月10日 (木)

元運用委が真っ向反論 安倍首相がPRする「GPIF改革」


安倍政権が成長戦略に盛り込んだGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革がやっぱり、問題になっている。130兆円もの年金資金のポートフォリオを見直し、国内株式投資の割合を高めようとしているが、露骨な株価吊り上げ策であるのはミエミエ。国家ぐるみのインサイダーみたいな話で、これに真っ向から異議を唱えたのが小幡績・慶大ビジネススクール准教授だ。同氏は今年4月までGPIFの運用委員だった。GPIFを知り尽くしている専門家の指摘を安倍首相はどう聞く?

 安倍首相は今年1月からダボスやロンドンの投資家会合でGPIF改革を強烈にアピール。田村厚労相はポートフォリオの見直しを「8月までに決めろ」と檄を飛ばし、その結果、国内株式の比率を12%から20%に引き上げ、国債比率を60%から40%に下げることが提唱されている。さらに悪ノリしているのが麻生財務相で、「6月以降にGPIFに動きが出てくる」と発言。
これが株価吊り上げになったのだが、小幡氏は「哲学的な誤り」と切り捨てた。「GPIF 世界最大の機関投資家」(東洋経済新報社)という本を緊急出版し、いかにこうした政治介入がいかがわしいかを書いている。

<GPIFの基本ポートフォリオもリスクテイクの中身も政治には絶対口出しさせないこと><政治の排除と独立性。これこそが、GPIFの制度設計として、まず何よりも重要なのです><独立が確保されないと、政治的に望ましい資産を買えということになる>とし、年金の資産配分は、運用のプロフェッショナルが決めるべきだと指摘した。

 日本株の買い増しも「致命的な誤り」と一刀両断。GPIFの現在の問題点は、自国の資産に過大に投資してしまう“ホームバイアスのわな”に陥っていることであり、国内株式の比率を20%に引き上げるのではなく、反対に<2%に引き下げるべきだ>と提唱した。
■8%が妥当ライン

 改めて小幡氏に聞いた。

「世界の上場株式の時価総額を見ても、日本株は世界の1割未満で、投資配分もせいぜい世界全体の株式の8%が妥当です。株式の投資の比率を全体の50%に高めるとしても、国内株式の上限は4%ということになる。それを20%に引き上げるのであれば、海外株式を今の12%から5割増しの18%にした方がいい。そして安倍政権はGPIFに政治介入するのをやめるべきです。GPIFは有名で巨大であるだけに、政府がキャンペーンをすると、海外投資家に先回りされ、上がったところで売り抜けられてしまう。損をするのは日本国民です」

 これぞまさに正論で、アベノミクスは市場を歪め、国民の年金資産を危うくしているわけである。

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